「I Love 高崎!」

群馬県高崎市の整体院院長のTakasaki Love なブログです。

前十字靱帯断裂・半月板損傷の既往歴のあるひざ痛 1

「このまま歩けなくなっちゃうんじゃないかと不安です」

ひざ痛で来室のAさん(50代女性・営業職)


学生時代にスポーツで右膝の前十字靱帯を断裂、

その後内側半月板も損傷してしまったそうです。


前十字靱帯は断裂したまま、

内側半月板は切除しているそうです。


その後は日常生活は普通に送れるまでに回復していましたが

2~3年くらい前から右膝の痛みが発症し

現在では歩くのもままならないようになってしまいました。



初回来室時の症状は

膝の屈曲60度位で痛い、伸展も伸ばしきれない。

右足に体重がかかると痛い、

膝蓋骨下に圧痛、でした。


病院では「ひざ関節が変形していて

ゆくゆくは人工関節の手術が必要ですが

人工関節は20年で入れ替える必要があるので

今は筋トレや装具などを使って

なるべく手術を遅らせましょう」
と云われています。


来室時は不安感が強かったので

「前十字靱帯断裂や半月板損傷でも

日常生活に支障がないくらい回復している方も大勢いらっしゃいます。


こちらの整体室でも痛みの軽減例は多くあります。


心配なのはわかりますが、お医者様の診断は診断として

ちょっと横に置いておいて

手技療法でどの位痛みが減るか試してみましょう。」



と施術に入りました。




初回

座位で(荷重をかけないで)膝の曲げな伸ばしをしても

痛みが出たのでひざ周辺を触診すると

大腿部はかなり緊張していました。


ひざの安定性確保のため

大腿四頭筋を中心に筋トレしているそうなので

「ひざ痛で筋トレを勧められますが

かえって筋肉を硬直させてしまい

膝の可動域を狭めることもあるんです」


と説明し、

座位のまま横引き・絞りなどで緊張を緩めていきます。


その流れで膝蓋骨周辺の圧痛を確認し

組織復元法で圧痛を取って行きます。


ある程度緩めたところで膝の曲げ伸ばしをしてもらうと

Aさんは半信半疑ながら

「さっきよりも楽です。」

変化を感じられているようです。



関節動作法で膝を曲げるのスムーズになったの確認したところで

「これらの手技で変化が出るのでしたら

しっかり調整すれば

かなり改善出来ると思いますよ。」


と励ましながら施術を進めます。


施術台に仰向けになると

「右膝の伸びないで痛い」そうなので

逆モーションで痛みを改善します。


仰向けが楽になったところでひざ倒し、

右倒しが行きずらいのもひとり操体で改善。



Aさんはひざの痛みによる将来の不安が強かったので

完全じゃありませんが

とにかく痛みを取る(軽減させる)、

そしてそれが自分でも出来ると云う事を

繰り返して行きました。



ここから体幹の循環を高める操法

自然治癒力を高めていきます。


ひざ下の圧痛や荷重がかかっていない状態での

膝の曲げ伸ばしが改善出来たので

一度起き上がって足踏みをしてもらいます。


かなりしっかりと足踏みしていますが

「まだちょっと痛み・不安感があります...」

右ひざ下はO脚気味ですので

アライメントを整えるためにサラシ固定を、

「だいぶ痛みが軽くなります、

これなら歩けます!」



今後の施術について説明し次回としました。


Aさんの施術後の感想

「あまり何かしてもらった感じはしませんが

膝は軽くなりました。」



当整体室では変化さえすれば

刺激はすくなければ少ないほどいいと考えています。

 

 

2回目(5日後)

「〇〇していれば普通に歩く分にはだいぶ楽です。」

よかったです、前回とは表情も違います。

普通に歩けたことで、少し安心されたようです。


階段などはまだ痛み・怖さが残ります。

ひざ・大腿部周辺に圧痛も出ます。


先ずは座位で大腿部周辺を緩めていきます。


特に内転筋群と大腿直筋が緊張しています。

前回同様、「あまり何かしてもらった感じがしない」程度の

施術で圧痛を解除していきます。


途中Aさんにもやってもらい

「車で時間待ちの時や、

家に帰ってからもやってみて下さいね。」

と覚えてもらいます。


ひと通り圧痛が取れたので仰向けに。

ひざが伸ばしにくい、曲げにくいがありました。

これも前回同様逆モーションで改善。


足を伸ばしても楽になったところで

膝のお皿のチェック、右はかなり硬く動きが悪くなっています。

お皿の膝もひざが動くにはとても大事な骨なんです。


これもAさんに覚えてもらいながら

膝のお皿の動作法を行います。




これで曲げるのもスムーズに。
(可動制限はありますが、その範囲で痛みは寛解



つぎに体幹の循環を高める操法をしていきます。

これで全体的な疲労が取れ不要な反射が取れてきます。


今回は指の問題もチェックしていきます。

(へバーデン・プシャール結節)

前腕を緩め・手甲を緩め・問題の指を緩めると

痛みが軽減し可動範囲も少し拡がります。



最後にひざ・大腿部周辺の圧痛を再度確認し

残った圧痛を取り次回としました。




前十字靱帯断裂・半月板損傷は事実だと思います。

しかし受傷後30年余りも痛み無く歩いていたのも事実なんです。


前十字靱帯断裂・半月板損傷が全く関係ないとは言えませんが

痛みが出たここ2~3年の問題の方が影響が大きいと考えられます。


もう少し身体全体を整えてから

個別の問題へ切り込んでいきます。